スミベタリッチブラック

スミベタ

「スミベタ」のスミはCMYKの中のK（黒）の事、ベタは100%の濃度の事、つまり「スミベタ」とは「K100%」の色を指します。

• 基本的に、黒い部分は「スミベタ（K100%）」で設定します。

リッチブラック

黒い部分が「スミベタ（K100%）」以外の色で表現される状態を「リッチブラック」と呼びます。

リッチブラックにすると、スミベタより深みのある黒が表現できます。

リッチブラックを意図的にご利用になりたい場合に、弊社では、
　　C30％／M30％／Y30％／K100％　を推奨しております。
（小さい文字や細い線などはK100%をおススメします。）

CMYKの総インキ量が370％を超える成分の場合や、レジストレーションカラー（C100％／M100％／Y100％／K100％）の場合、インキ量が多すぎるために印刷が不安定となり、印刷物の仕上がりに大きな問題が生じるため、規定値内に修正していただく必要があります。

リッチブラックを使用する際の注意点

細い文字や線などに使用した場合、見当ズレが発生した際に、下図の様に滲んで読みにくくなる可能性があります。
また、リッチブラックの上に白い小さい文字や白い線を配置すると、つぶれて見えなくなってしまう可能性があります。

　
通常、文字や線などは「スミベタ（K100%）」を指定します。

ブラックオーバープリント（スミノセ）

印刷では色と色の間にわずかな隙間が生じてしまう見当ズレが発生することがあります。
見当ズレが発生すると色の境目に他の色が出たり、紙の色の白が出てしまいます。
特に文字の部分は黒（K100%）を使用する頻度も高く、わずかな色と色の隙間も目立ちます。

そこで、理論上では黒は、どのような色を加えても黒に見えるという特性を利用し、印刷の機械で自動的に、K100%のみのベクトルデータに対してブラックオーバープリント（スミノセ）という処理をします。
ブラックオーバープリントをせずに印刷すると、黒の下に重なっている色や図柄は、黒の形で白く抜けた状態で印刷されます。（ヌキ合わせ）
ブラックオーバープリントをすると、黒の下に重なっている色や図柄などがそのまま印刷されます。
黒の形に白く抜ける部分が無い状態に、黒（K100%）を重ねるため、黒の見当ズレが発生しても影響が少なくなります。

意図しないブラックオーバープリントの対処法

黒に他の色が入っても黒く見えますが、実際には、黒に混じる色により、赤味を帯びた黒や、青味を帯びた黒など、下にある色の影響を受けてしまいます。
黒の下の色や図柄が均一であればブラックオーバープリントによる混色の影響は目立ちにくいのですが、濃度が濃い場合や濃度差が激しい場合には、透けた様に見えてしまう場合があります。

弊社では自動的にブラックオーバープリントの処理をするため、データの作成の仕方により、下の図のように、意図しない仕上がりになる場合があります。

回避方法は、K100%のみの色成分にブラックオーバープリントが適用される特性を利用し、K100%にC・M・Yの色をいずれか1%を加えます。
そうする事により、ブラックオーバープリントの処理はされずにヌキ合わせの状態となります。
黒い部分の面積がある程度大きい場合は、リッチブラック（弊社推奨値 C30％／M30％／Y30％／K100％）に設定する方法も有効です。

ブラックオーバープリントの対象は、文字や図形などのベクトルデータのK100%のみが指定されている部分になります。
ベクトルデータがK100%の場合でも透明機能の影響を受ける部分はブラックオーバープリントの処理が適用されません。
また、写真（ビットマップ、ピクセルデータ）などの画像上のK100%もブラックオーバープリントの処理は適用されません。

※この黒の透けている部分は説明のために誇張しております。